読書記録

2021年1月〜6月に読んだ本

働き始めたら冊数は減るかなと思っていたのですが、何とかペースを大幅に落とすことなく本を読めました。研修医としての最低限は担保するよう、4月からは「医学のお勉強の本とそれ以外の本を交互に読む」というルールを自分に課しています。 1月 21001 山下…

せいほ — Notes on "Anthropology and Sociology for Doctors and Medical Students"

「あの人、せいほだから」 それは、医療現場でしばしば聞く言葉である。想像に難くないように「せいほ」とは「生活保護(受給者)」のことであり、しばしばその隠語には差別的なニュアンスが含まれている。幾度となくトラブルを巻き起こす患者が「せいほ」だ…

2020年7月〜12月に読んだ本

7月 20065 川喜田愛郎『近代医学の史的基盤』(岩波書店、1977) 20066 Heewon Chang"Autoethnography as method" (Routledge, 2008) 20067 Heewon Chang"Collaborative Autoethnography" (Routledge, 2013) 20068 民谷健太郎『医師国家試験の取扱説明書』(…

医学・医療に関する人文書 おすすめリスト

タイトルにある通り、「医学・医療に関する人文書」という縛りで、オススメしたいと思った書籍を紹介します。イメージは、何の前知識もない人が私のデスクにふらっと来て、「何か面白い本ないですかー?」と聞かれたときに、とりあえずの鉄板として提示する…

2020年1月〜6月に読んだ本

1月 20001 教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ (風間孝ほか/法律文化社)20002 医学概論とは(澤瀉久敬/誠信書房)20003 医療・合理性・経験(バイロン・グッド/みすず書房)20004 Dr.ヤンデルの病院選び(市原真/丸善出版)20005 100分de名著 …

2019年7月〜12月に読んだ本

7月 19054 W3 第1巻・第2巻(手塚治虫/手塚治虫文庫全集) 以前紹介しました。 satzdachs.hatenablog.com 19055 現代思想 第45巻20号 岸政彦と國分功一朗の対談がとにかく面白かったです。特に「抽象」と「一般化」について社会学者と哲学者がそのスタンスの違…

手塚治虫『W3(ワンダースリー)』

漫画は普段ほとんど読まないのですが、知人に薦められて読んでみたらびっくり、素敵がてんこもりな作品でした! 『手塚治虫文庫』で第1巻・第2巻しかなくてあっという間に読めますが、でも内容がギッシリ詰まりまくっています。 なるべくネタバレしないよう…

2019年1月〜6月に読んだ本

1月 19001 都市文化と東洋医学 (マーガレット・ロック/思文閣出版) 日本における東洋医学の実践をフィールドワークした本作。読みながら「何を当たり前のことを言っているんだ」と浅さを感じていたが、その理由が民族誌を「原住民」の立場から読んでいるから…

國分功一朗『中動態の世界』(医学書院、2017)

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) | 國分功一郎 |本 | 通販 | Amazon 昨晩、お久しぶりの方と色々お話していて、今もやもや考えていることを根本から解決するきっかけの一つとして、"中動態"という概念がやはりあるのではないかとい…

池田清彦『構造主義科学論の冒険』(講談社学術文庫、1998)

この本のおかげで、カント、ソシュール、フッサール、ウィトゲンシュタインらの哲学を個別には何となく知っているつもりではありましたが、それらが初めて有機的につながって理解できました。おすすめです。以下、本からの一部抜粋です(文頭の数字はページ…

2018年7月〜12月に読んだ本

7月 18053 カステラ(パク・ミンギュ/クレイン) ★★18054 社会的孤立問題への挑戦 (河合克義/法律文化社)18055 哲学としての医学概論 (杉岡良彦/春秋社) ★★18056 拳闘士の休息(トム・ジョーンズ/新潮文庫)18057 患者は誰でも物語る (リサ・サンダース/ゆみる出…

2018年1月〜6月に読んだ本

1月 18001 文藝芸人(文藝春秋)18002 嫌われる勇気18003 さらば、資本主義18004 ねじ子とパン太郎のモニター心電図18005 中動態の世界 ★★18006 医学思想史18007 イワン・イリッチの死18008 医療人類学のレッスン ★ 2月 18009 君たちはどう生きるか18010 西田…

若林正恭『ナナメの夕暮れ』(文藝春秋、2018)

ロフトのバレンタインの広告が炎上しています。 www.huffingtonpost.jp この件に対して「時代遅れの、サブカル系「斜め見」カルチャーを未だにやり続けているのかもしれない」というTwitterのコメントを見て、的を射た意見だと思うと同時に、この本を思い出…

姫野桂『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書、2018)

www.amazon.co.jp 「発達障害は大きく3つに分類されている。独特なルールがあったりコミュニケーションに問題が生じることが多いASD(自閉症スペクトラム症)、衝動的な言動や不注意などが目立つADHD(注意欠陥・多王政障害)、知的な問題はないのに簡単な…

グレゴワール・シャマユー『人体実験の哲学――「卑しい体」がつくる医学、技術、権力の歴史』(明石書店、2018)

www.amazon.co.jp 人体実験に供与されてきたのはどのような人々だったのか、また彼らはどのような理屈をもってその時代に「卑しい体」とされたのか。政治思想史、医学史の両分野から読み解く良書。かなり分厚いですが文章自体は読みやすくサクッと読めます。…

佐藤純一 編『文化現象としての癒し : 民間医療の現在』(メディカ出版、2000)

www.amazon.co.jp 「これって、すごい効くらしいなあ」 そう言って母が見せてきたのは、新聞の広告。黒地に白抜きでデカデカと「塗るだけで絶対に治る! ×××」と書かれている。僕はすぐさま「そんなんインチキに決まってるやん」と言いかけるが、逡巡する。…