ハンバーグと剰余

今日は丸一日休みだったので、ハンバーグをこねて焼いていた。 まずはみじん切りした玉ねぎ1/4個をバターで炒め、小麦粉を混ぜてから冷ましておく。合い挽き肉180gに塩胡椒をふってから2分ほどよく練り、それに生卵1/2個、パン粉10g、そして先ほどの玉ねぎを…

国試にインストールされた思考

*2021年3月15日、大幅に改稿しましたが、いまだ編集途中です。随時、加筆・修正されていく予定です。*2021年3月20日、第3稿へと更新しました。 0. はじめに 国試の問題というのは、基本的には5択である。すなわち国試勉強とは、5つある選択肢の中から1つ正…

3月までの話と、4月からの話

友達のNとMに声をかけ、TNM勉強会なる会を始めたのが2020年1月。まずは、お互いに疑問に思ったことを調べスライドを作ってくる、という方式でスタートした。ちなみにだが、これでは発表者にそれなりに負担がかかるため、夏に差し掛かる頃には型式の変更を余…

日々の話(2020年3月1日)

昨日は某携帯ショップに行っていた。実はそれが今月3回目で、前の2回は契約の名義を変更するのに必要な書類等にいずれも不備があったために、再々度出直しとなっているのだった。担当は3回連続で同じFさんだった。ここまで来たら流石に顔と名前を覚えていた…

良い一年でした

簡単にですが、今年一年の総括を書いておこうと思いました。それはタイトルの一言に尽きます。周知の通り、2020年は新型コロナウイルスの流行により様々な理由でたくさんの人が苦しい思いをし、決して日本全体が明るい一年ではありませんでした。なので、あ…

2020年7月〜12月に読んだ本

7月 20065 川喜田愛郎『近代医学の史的基盤』(岩波書店、1977) 20066 Heewon Chang"Autoethnography as method" (Routledge, 2008) 20067 Heewon Chang"Collaborative Autoethnography" (Routledge, 2013) 20068 民谷健太郎『医師国家試験の取扱説明書』(…

M-1グランプリ2020感想

マヂカルラブリーは漫才でいいのかあかんのか問題 漫才でいい:99票 阪急電車に一礼をしない:1票 素晴らしい漫才でしたね。 0. 「マヂカルラブリーは漫才か」 1. はじめに 2. 『吊り革』のグルーヴ感 3. おいでやす小田の叫び 4. 賞レース漫才における「伏線…

2012年-2020年に観たお笑いライブ

2020年(配信ライブ) 12日24日 Dr.ハインリッヒトークライブ「ディアロークハインリッヒ15」 12月22日 terauchi寄席 12月5日ニューヨークと愉快な仲間達in祇園花月 12月2日 M-1グランプリ2020 準決勝 11月28日 裏勇者ああああ~ゲームあんまり関係ない悪ふ…

<裏>と<表>の奇妙な共存——今更ながら「せっせっせいや」を考える

はじめに ゼロ年代とテン年代のお笑い界 リズムネタの脱構築 <裏>と<表>の奇妙な共存 おわりに はじめに 以下の動画を観た友人から、質問を受けた。せいやさんが自らの「せっせっせいや」というネタを「ブリッジが長いっていうネタ」「一個乗ってる芸」…

1/3も伝わらない

人と話すときに、うまく言葉が出てこないと思うことが増えた。相手の立場、考え、感情を理解することが難しいから、というのも理由として確かにある。ずっと思ってきたことだし、今なお誰かを「わかる」ことの暴力性に怯えている。 しかしそれより、自分の頭…

毎週チェックしてるラジオ・テレビ・ネット配信

※2020年11月15日現在の記録です(随時更新)。 ラジオ 月曜日 21:00~21:30 かまいたちのヘイ!タクシー(TBS) 火曜日 23:30~24:00 エビ中☆なんやねん(MBSラジオ) 24:00~25:00 アルコ&ピース D.C.GARAGE(TBS) 木曜日 24:00~25:00 ハライチのターン…

医学・医療に関する人文書 おすすめリスト

タイトルにある通り、「医学・医療に関する人文書」という縛りで、オススメしたいと思った書籍を紹介します。イメージは、何の前知識もない人が私のデスクにふらっと来て、「何か面白い本ないですかー?」と聞かれたときに、とりあえずの鉄板として提示する…

<お笑いと社会 第2回> バラエティ番組の「いじり」は「いじめ」なのか

前回は、ごっこ遊びの定義と日常世界における「いじり」について考えました。今回はまずその内容をおさらいしてから、バラエティ番組における「いじり」について考えてみましょう。なるべく前回を読まなくても本記事だけで内容を理解できるように書こうと思…

お笑いを批評すること、楽しむこと

本稿では、お笑いを「批評する」ということと「楽しむ」ということについて、現時点で考えていることをつらつらと書いておこうかなと思います。 *** 以前書いた以下の文章で、お笑いの知識をつけ、分析をし、「批評」していくなかで「何も考えず、純粋に…

<お笑いと構造 第10回> 現代ツッコミ論考

前回は、「既存のお笑い体系からの脱出法」と題して、メタとシュール、そしてぺこぱをテーマに解説をしました。 satzdachs.hatenablog.com 今回は、漫才の進化が顕著に分かる別の題材として、「ツッコミ」に焦点をあてたいと思います。ただ、「現代ツッコミ…

私たちはぺこぱの何を笑っているのか——相対主義の限界と可能性

<第Ⅰ部> 相対主義の可能性 1-1. ぺこぱは「お笑いの末期」なのか 1-2. 「変」を笑うだけがお笑いではない 1-3. 「女どうしが結婚したって別にいいじゃないか!」 1-4. 松陰寺の何が「変」なのか <第Ⅱ部> 相対主義の限界 2-1. 文化相対主義の限界 2-2. ぺ…

今の俺を見てくれ

大学生になった頃の私は、LINEでスタンプを使う男が嫌いだった。特にかわいいスタンプを使っている奴に対しては、「自分の顔見て出直して来いよ」と思っていた。我ながらほんとうに酷い話だ。 そういう考えの根源にあったのは、男子校6年間の生活で鍛え上げ…

NBA

何となく、文章を書いていないと落ち着かないので、不定期にnoteは更新しようと思う。特に誰かに向けてではなく、自分のために書くつもりだ。 この頃はずっと勉強をしている。一応受験生なので仕方がない。なんだかんだこの数ヶ月がいちばん医学生らしいこと…

2020年1月〜6月に読んだ本

1月 20001 教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ (風間孝ほか/法律文化社)20002 医学概論とは(澤瀉久敬/誠信書房)20003 医療・合理性・経験(バイロン・グッド/みすず書房)20004 Dr.ヤンデルの病院選び(市原真/丸善出版)20005 100分de名著 …

最近は全然コロナについて考えていない。

3日前、ふと思った。最近、コロナについて全然考えていないなと。 *** LINEを検索してみると、私が初めて「コロナ」という文字列を打ち込んだのは2/27(木)のことである。それはちょうど、COVID-19の影響を受けて大規模イベント等が次々と中止・延期になっ…

「他者」についての覚え書き

satzdachs.hatenablog.com この記事を書いてからもずっと、レヴィナスのことが気になっている。その理由の一つは、彼が「他者」について語った哲学者であったということだと思う。他者をどう捉えるかというのは私にとってずっと切実な主題であり続けている。…

<お笑いと社会 第1回> 「いじり」とは「ごっこ遊びすること」である

このシリーズは、「バラエティ番組の『いじり』は日常生活の『いじめ』を助長するのか?」という問いに答えるため、一年弱かけて不定期に連載してきました。今回、また記事を書くにあたって読み返してみると、長期間にわたって書いてきたために議論が混乱し…

わが街を歩く

家からほとんど出ない生活が始まってから、一ヶ月以上が経とうとしている。ストレスの溜まっている友人たちも多いように見受けられるが、私は根っからの引きこもり体質であるから、実を言うとそこまで苦ではない。むしろ、家にこもることが積極的に推奨され…

コロナ禍の卒前医学教育を、学生と教員で考える——今こそ「そもそも論」を

私は、医学部医学科6年の学生です。このような状況下で、今後の実習がどうなるか、あるいはマッチングや国試も通常通り行われるのか、同級生たちのなかで日々不安が高まっているのを感じます。 1. 「学生の教育参画」とは 2. 今必要なのは「そもそも論」であ…

人と出会うこと、そしてつながること

本稿では、人と人のつながり、あるいは出会いにおいて、新型コロナウイルスの影響によってどのような変化が起こっているのか、思考の流れるままに追っていく。 * * * 「オンライン飲み会」なるものが流行っている。zoomを始めとするビデオ会議システムを…

私たちは忘れっぽい——だから記録する

少し前、Facebookを眺めているときに、ふと昔の飲み会の写真を見つけた。それは明らかに2年以上前のものだったが、私は反射的に「うわ、これだけ大人数でしかも密集して飲み食いしてる、大丈夫なんかこれ」と考えてしまった。そのときは、「三密」なんて考え…

桜が好きだ

緊急事態宣言が出る前の日、私は木屋町通を歩いていた。当分は大阪の家からほとんど出ないことを見越して、大学の研究室から必要なものを引きあげる予定だった。 阪急河原町駅から大学まで歩こうと思うとそれなりの距離がある。普段は京阪祇園四条駅で乗り換…

<旧版・お笑いと社会> 日常世界における「いじり」と「いじめ」

前回まで、バラエティ番組における「いじり」と「いじめ」の関係について、ごっこ理論をヒントに考えてきました。 satzdachs.hatenablog.com 今回は、日常生活でも頻繁にみられる「いじり」と「いじめ」の関係について考えていきたいと思います。 1. 「いじ…

<お笑いと構造 第9回> 既存のお笑い体系からの脱出方法――シュール、メタ

前回は、<お笑いと構造>応用編の第一回目として、天丼をテーマに論じました。 satzdachs.hatenablog.com そこで最後にとりあげたのが千鳥の「開いてる店は開いてるけど、閉まってる店は閉まってる」漫才であり、これが既存のお笑い体系からの脱出の一つの…

<お笑いと構造 第8回> 天丼はどこまで盛れるか?

前回まで、お笑いの構造分析の三尺度として意外感・納得感・期待感を紹介し、さらにそれを先行文献と比較しつつ検討しました。 satzdachs.hatenablog.com 基礎理論の解説を終え、今回から個別の事例を取り上げて分析する応用編が始まります。その初回のテー…